簡単に言うと、「3か月以上続いている腰の痛み」のことです。 通常、筋肉の炎症や軽いぎっくり腰のような症状は、数日〜数週間で回復に向かいます。しかし、原因がハッキリしなかったり、治ったはずのケガのあとに痛みだけが残っている状態が続く場合、それは慢性痛と呼ばれます。 この慢性痛は、単なる「筋肉の問題」だけでは説明がつかないことが多く、体の使い方・姿勢・過去のケガ・生活習慣・ストレスなど、さまざまな要因が関係していることがわかってきています。

「骨に異常はありません」と言われてホッとした反面、「でも、じゃあこの痛みは何なの？」という疑問が残る方も多いと思います。 実は、「異常がない＝痛みがない」というわけではありません。 **画像に映らない「筋肉・筋膜」「神経の興奮」「脳の記憶」**などが関係しているケースも多いのです。 特に、長期間痛みを我慢していた方ほど、**脳や神経が“痛みを覚えてしまっている”**場合があります。これが「慢性痛の正体」と言われています。

当院では、ただ痛みのある部分を揉んだり伸ばしたりするのではなく、 その方の姿勢やクセ（反り腰、猫背など） 体の連動（腰だけでなく足や肩の使い方） 筋肉の深層（深層筋やトリガーポイント） 過去のケガや仕事・育児などの生活歴 心の緊張や不安などの影響 などを総合的に見ていきます。 実際に、「ずっと痛かった腰が、姿勢を整えたら軽くなった」「歩き方を変えたら腰の重さが減った」と言われることも多くあります。

慢性腰痛の多くは、「腰が悪い」のではなく、「腰に負担がかかる体の使い方」に原因があることが多いのです。 たとえば、 座り方のクセ（反り腰や骨盤の後傾） 歩き方のバランス（股関節や足の動きの不良） 呼吸の浅さ（腹圧の低下） こういった体全体の動きを調整することで、「自然と腰にかかる負担が減って、痛みが和らいでいく」ということが起こり得ます。