肋間神経は、背骨（胸椎）から左右に出て、肋骨の間を走る神経です。 本来は「胸の痛み」や「肋骨周辺の違和感」と関係していると思われがちですが、この神経は肋骨の動きに連動して背中や腹部、さらには腰の筋肉ともつながりを持っています。 つまり、肋間神経に緊張や圧迫があると、直接的に「腰」に痛みとして表れることがあるのです。 特にデスクワークやストレスが多い現代人は、呼吸が浅くなりがちで肋骨周辺の可動性が低下しています。 この状態が続くと、肋間神経が緊張し、結果として慢性的な腰痛を引き起こすことがあります。

腰に痛みがあると、多くの人が「腰を揉めば治る」と考えます。 ですが、肋間神経の緊張が根本的な原因になっている場合、腰をいくらほぐしても一時的な改善にしかなりません。 このようなケースでは、肋骨の動きや胸椎の柔軟性を取り戻すことが重要です。 具体的には、呼吸筋（横隔膜や肋間筋）へのアプローチや、肋骨まわりの可動域を広げるストレッチ、整体による胸椎の調整が効果的です。 実際に、私の整体院でも「腰が痛い」と来院された方に対して、腰には触れず胸郭（肋骨）を緩めただけで痛みが軽減したというケースは少なくありません。

肋間神経の緊張による腰痛かどうかを見分けるには、以下のようなセルフチェックが役立ちます。 呼吸が浅い、または胸が広がらない感覚がある 深呼吸をすると背中や腰に違和感が出る 猫背や巻き肩の姿勢が続いている 前かがみよりも「反る」と腰が痛む これらに当てはまる場合、肋骨の可動性低下や神経の緊張が関係している可能性があります。 対策としては、ゆっくりと深い呼吸を意識しながら、肋骨の横を軽くマッサージしたり、胸を開くストレッチ（例：両手を後ろで組んで肩甲骨を寄せる）を日常に取り入れるのがおすすめです。